日本人の食卓になくてはならない存在のお醤油。どんな料理にも使われる、万能な調味料として重宝されます。
また、海外でも醤油(ソイソース)はスーパーでも売られているほど人気がありますよね。
そんな国内外問わず、需要の高い醬油の出荷量が日本一なのは千葉県です。
千葉県が醤油でこれだけシェアを持つようになった背景をまとめてみました。
醤油の生産は千葉県が日本一
醤油出荷量(国内)は、千葉県が全国1位であり、約37.95%を占めるといわれています(しょうゆ情報センター 統計資料 2022年実績より)。
第2位が兵庫県で約15.94%。
この2つの県で全体の半分を占めてしまうとはいえ、千葉県のシェアがダントツに高いのがよくわかります。
千葉県が醤油で有名と言われる所以ですが、千葉県に醤油の大手メーカーの本社があります。
醤油の大手メーカーといえば、キッコーマンとヤマサ醤油。
このどちらのメーカーも本社は千葉県にあるのです。
キッコーマンの本社は千葉県野田市にあり、2018年度国内シェア28.6 %、
設立は1917年(大正6年)です。
ヤマサ醤油の本社は千葉県銚子市にあり、2018年度国内シェア11.7%、
創業はなんと1645年(正保2年)!!設立は1928年(昭和3年)だそうです。
どちらも長すぎる歴史がありますね。
尚、キッコーマンの本社のある現在の野田市ですが、野田での醤油の醸造自体は、永禄年間(1558年~1570年)ごろから始まったとも言われています。
千葉県で醤油が生産されるようになった理由
千葉県で醤油が造られるようになったのは、17世紀ごろ(江戸時代)からと言われています。
理由は次の3つが大きいといわれています。
- 大量消費地である江戸に近かったため
- 利根川と江戸川といった、川(水運)を使って醤油を運ぶことができたため
- 原料となる小麦や大豆の生産が盛んで近隣で調達しやすかったため
醤油を車のない時代に運ぶのは容易ではないですよね。
川(水運)を使って、江戸に比較的早く醤油を届けることができるというのは、他のエリアにはない有利さであったといえます。
また、江戸時代は食文化が発展した時代でもあります。
醤油がこの時代から愛されるようになったのは、食文化への貢献ともいえるのではないでしょうか。
醤油文化は衰退しないか
しょうゆ情報センター 統計資料 2022年実績によると、
昭和30年(1955年)に全国で6000あった工場数が、令和4年(2022年)には1055に減少し、
また、醤油の一人あたりの年間消費量が
昭和47年(1972年)に10.9ℓだったものが、令和4年(2022年)には5.6ℓに縮小しています。
食文化や生活習慣の多様化で、
調味料一つにおいて、昔ほど醤油のみに頼る感じではなくなってきましたが、
各メーカーからも健康志向に根ざした「減塩醤油」や塩分控えめタイプなど、
いろんな種類の醤油が提案されています。
一方、輸出数量においては、毎年比較的順調に伸びてきているようです。
輸出先も様々ですが、アメリカや中国、欧州諸国はもちろん、韓国、タイ、香港、フィリピン、シンガポールといったアジア圏にも輸出されています。
日本食は海外でも人気がとても高く、世界中において日本食レストランが増えていることも理由にありそうです。
とはいえ、どんな料理にも万能で、重宝される醤油は、日本の食文化においてなくてはならない存在。
これからも日本の食卓において愛されつづけ、各醤油メーカーにもいろんなバリエーションの醤油を生み出しつづけてほしいなと思います。
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